「形骸化した専守防衛の先は~戦前史から見えるもの」
講師:ノンフィクション作家 保阪正康氏
<内容> 政府は昨年12月、「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定を国会の議論を経ずに閣議決定した。敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や、防衛関連予算を2027年度にGDP比2%へ倍増することが明記された。敵国がミサイルでこちらを攻撃してくる可能性がある場合、敵のミサイル施設を破壊する能力を持つことは、日本が堅持してきた専守防衛を形骸化させた。日本が先制攻撃をする可能性があることになれば、敵国の攻撃を誘発しかねず、日本が戦争に巻き込まれる恐れが高まる。昨年8月のニュース深掘り講座でロシアによるウクライナ侵攻を昭和史の事例からひも解いた保阪さんに、今度は日本の安保政策の大転換を戦前史の視点で解説し、「その先」を読み解いてもらう。保阪さんはロシアを教訓に「軍事を選択することが既に敗者を意味する」という新しい戦争論、平和論を構築すべき、と説く。
〈プロフィール〉 保阪正康 ほさか・まさやす 1939年、札幌市生まれ。ノンフィクション作家として太平洋戦争を指導した将官から兵士まで4000人以上の戦争経験者を取材してきた。「昭和史講座」を中心とする昭和史研究で菊池寛賞を受賞。「東条英機と天皇の時代」(ちくま文庫)、「あの戦争は何だったのか」(新潮新書)、「昭和の怪物 七つの謎」(講談社新書)など著書多数。近著に短命政権で終わった反骨のリベラリスト政治家・石橋湛山を描き、「首相の格」は任期の長さではない、と断じた「石橋湛山の65日」(東洋経済新報社)がある。
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