「益川敏英さんの遺言~ノーベル賞で考える科学と戦争」
講師:永井理(東京新聞編集委員)
<内容> ノーベル物理学賞を受けた益川敏英さんが2021年7月に亡くなりました。益川さんが晩年に気にかけていたのが科学と軍事の距離でした。現在の科学政策は、競争主義で効率が強く求められ、自由に使える基礎的な研究予算が徐々に絞られています。その方向が研究の自由度を奪い、軍事との距離を縮めることにつながるのではないかというのです。防衛省の研究費を受けるかどうかで巻き起こった国立天文台の「内紛」も、それを示していました。科学政策のひずみは、益川さん以外の受賞者も口々に指摘しています。もともとノーベル賞も、ノーベル自身の発明したダイナマイトが戦争に使われたことへの贖罪の意味から始まりました。ノーベル賞シーズンに、科学研究のあり方について考えます。
<プロフィール> 永井理 ながい・ただす 京都府出身。京都大学理学部卒。1989年に中日新聞に入社。三重県伊勢支局、石川県志賀通信部で原発問題を担当した後、東京本社科学部へ。原子力、宇宙開発、地震火山災害、ノーベル賞などを取材。夕刊連載「この道」で益川敏英さんの聞き取りと構成を担当(2016年1~3月掲載)。現在は、東京本社社会部科学班キャップ。
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