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真っ赤な車両が整列している。東京メトロの中野車両基地(中野区)。今年開業から70周年を迎えた丸ノ内線と、銀座線の車両を点検する拠点だ。浅田次郎さんの小説「地下鉄(メトロ)に乗って」にも登場する。
丸ノ内線は1954年1月に池袋―御茶ノ水間で開通。戦後初の地下鉄として復興とともに歩み、東京、霞ケ関、新宿へと、次々に延伸された。
車両基地は丸ノ内線の分岐線の駅、中野富士見町のそばにある。車両の日常点検をする検車区と大規模な検査を行う車両工場からなり、61年に設置された。東京メトロによると、敷地面積は5万9千平方メートル。約180人の社員が働く。中野車両管理所の筧実好(かけひみよし)所長(59)は「お客さまが安全に乗れるよう確実な検査をしている」と話す。
生まれたころからこの近所で暮らす河㟢(かわさき)俊彦さん(72)によると、車両基地ができる前は田んぼや畑が広がっていた。「学生時代も通勤でもずっと丸ノ内線を使っていた。都心に行くのに便利だし、やっぱり愛着がありますよ」。近くの方南通りに架かる歩道橋は基地を一望でき、鉄道ファンに人気のスポットだ。(浜崎陽介)
紙面より一部抜粋(2024年10月7日発行 東京新聞朝刊)
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