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滝を滑り下りたりしながら渓谷を進むアクティビティ「キャニオニング」が静かな人気を集めている。暑い日が続く中、群馬県みなかみ町を流れる利根川支流の阿能川ではウエットスーツ姿の参加者が、ガイドの指導を受けながら木漏れ日の差し込む沢を下り、涼を楽しんでいる。
同町の社団法人「アウトドア連合会」によると、キャニオニングは河川での救助訓練から派生したヨーロッパ発祥のスポーツ。沢を登っていくシャワークライミングとは反対に、歩き、泳ぎ、ロープワークや飛び込みなどを使い分けて渓谷を下っていく。同連合会の石川満好理事長がフランス人ガイドと二〇〇四年に同町でツアーを始め、次第に全国へと広まった。コロナ禍以前は利用者が同町で年間約七万人にまで増えていたという。
家族三人で参加した東京都板橋区の会社員和田誠さんは「作られたものじゃない自然の美しさが一番の魅力。夏は水際の事故が増えるが、プロに付き添ってもらい息子にここまでは安全という線引きを経験させたかった」と充実した表情で話した。
今年は想定外の早い梅雨明けとなり「急に問い合わせが増えた」とツアー会社「フィールド・アースみなかみベース」の店長兼ガイドの小川雄一郎さん。「暑くなってうれしい半面、書き入れ時のお盆時期に向けて水不足が心配」と懸念も。上流にある調整池の貯水量や放水量を確認する日々だという。(文と写真・隈崎稔樹 紙面構成・折尾裕子)
紙面より一部抜粋(2022年7月17日発行 東京新聞朝刊)
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