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蜃気楼を抱えて、伊予灘に沈むだるま夕日
愛媛県松前町の重信川河口から伊予灘に沈むだるま夕日を狙った。色鮮やかな太陽が歪んで海面に沈む時、太陽の中に蜃気楼現象の黒い物体が浮かんだ。小さな島か大きな船だろうか。不思議な一瞬の光景だった。右側に、約100キロ先にある大分県国東半島の山並みが見えた。九州まで見られるのは、冬ならではの絶景だ。地球が丸いことを実感する。この神々しい光景に心から魅了された。
だるま夕日は、太陽の蜃気楼現象の一種。海に沈む夕日がだるまのように見えることが、その名の由来だ。暖かな海水と冷たい大気の温度差で発生する。瀬戸内海の伊予灘では秋から冬の風物詩として知られ、10月下旬から2月中旬に目撃される。やはり運次第で、天気が良くても地平線に雲が出ることも多く、残念な日も多い。
日の出と日没の太陽の方位は、年間に約60度移動する。春分と秋分の日は、真東から日が昇り、真西に沈む。夏至は東と西からともに北へ約30度、冬至は同様に南へ約30度動く。季節の移り変わりとともに朝日と夕日の方向も変化するのだ。
愛媛県は東予と中予、南予の3つの地方に分割される。季節にもよるが、中予と南予の海岸は夕日の絶景スポットが多い。四国八十八箇所を巡礼するお遍路さんも、神々しいだるま夕日に心癒されていることだろう。(堀内洋助)
(撮影データ)
ニコンD850 AF-Sニッコール600ミリf4 500分の1秒 絞りF8 ISO400
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