商品概要
埼玉県小鹿野町の「節分草園」で、セツブンソウが見頃を迎え白いかれんな花が早春の里山を彩っている。
セツブンソウは関東以西に広く分布するキンポウゲ科の多年草で、石灰質の土壌を好み、落葉樹林内でよく見られる。球根から伸びた約十センチの茎に直径二センチほどの花を咲かせる。五枚の花びらのように見えるのはがくで、紫色のおしべを囲むように黄色い花びらが並ぶ。
同町おもてなし課などによると、山麓の斜面五千平方メートルに広がる同園は、セツブンソウの全国有数の自生地。崩落した岩石が堆積した北向き斜面で、他の植物に負けないよういち早く開花して光合成するセツブンソウの生育条件に適しているという。
近年は暖冬が続き二月下旬には見頃を迎えていたが、今年は雪の影響で開花が二週間ほど遅れた。三月に入ってから寒さが緩み一気に見頃を迎えたという。園内では、雪のように斜面を覆う小花を写真に収めようと、低い姿勢で撮影する写真愛好家らの姿が見られた。
同課は「三月中旬には見頃を終える。開花状況は観光協会のホームページなどで確認し、ルールを守って観賞してほしい」としている。
開園時間は午前八時半から午後四時半まで。中学生以上三百円。(写真と文・隈崎稔樹)
紙面より一部抜粋(2022年3月16日発行 東京新聞夕刊)
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