商品概要
都心のサバンナ
東京ゲートブリッジを渡る車の中から、秋の空を真っ赤に染める美しい夕日が見えた。東京港のコンテナ埠頭(ふとう)に並ぶ大型クレーンのシルエットが浮かび上がる。キリンの群れが悠然と歩くアフリカのサバンナのような風景だ。
船舶のコンテナを積み降ろしする専用重機は「ガントリークレーン」と呼ばれ、稼働していない時に長いアーム部分を上げて待機する。東京港では羽田空港を離着陸する航空機の飛行を妨げないように先端を折り曲げ、独特の姿になる。高さは九十三メートルもある。
足元には、埋め立て地の中央防波堤で整備中の公園「海の森」の樹木が、草原のように広がる。雄大な眺望が車窓を流れた。(写真と文・戸上航一)
■撮影メモ
左側の2基は大井コンテナ埠頭(品川区)、右側は青海コンテナ埠頭(江東区)のクレーン。日没が早まるこれからは午後5時まで通行できるゲートブリッジの歩道から夕日を望める
紙面より一部抜粋(2016年10月23日発行 東京新聞朝刊)
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