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夏の瀬戸内に輝く夕焼けと綱掛岩=愛媛県大洲市で
愛媛県大洲市長浜町の瀬戸内で7月23日、人気景勝地の綱掛岩(つなかけいわ)を撮影中に、鮮やかな夕焼けに遭遇した。日没から10数分後、突然に空も海も赤く輝き始めた。様々な模様を描く雲と波が穏やかな海とのコントラストも印象的に。岩の上の鳥居も存在感を増した。赤い幻想的な光景は15分間ほど続いた。まるで、約20分後にスタートする東京オリンピックの開会式を祝うかのような光景に胸が高鳴った。
綱掛岩は海岸沿いに立つ大きな岩で、綱が上部に鉢巻きのようにかけられている。名の由来は次のように伝承される。740年、北九州で朝廷への反乱が発生した。鎮圧するため、伊予の国主越智玉澄が船で向かう途中、大しけに合い、この海岸に一時避難。その時、船のとも綱を岩に投げ掛けたので「綱掛岩」と呼ばれるように。その後、戦いに勝利した国主は海上安全と武運長久を祈願するため、ここに神社を建立したとされる。
国道378号線の眼下にこの岩は立地する。近くに数台分の駐車スペースも。訪れた日は、車4台が止まり、6人の観光客とカメラマンに出会った。車は大阪と香川ナンバー。4連休を利用して四国を旅しているという。海水は青く澄んで美しい。岩ではイソヒヨドリ数羽が追いかけっこし、上空をミサゴとハヤブサが旋回。西遠方に、四国電力伊方原子力発電所が見えた。
瀬戸内の写真を撮り始めて5年になるが、美しい夕焼けに遭遇することが多々ある。内海ならではの気象条件が水蒸気や雲、光などをコントロールするのだろう。今後も、さらなる夕焼けを目指して、絶景地を訪ねたいと思う。(堀内洋助)
【撮影データ】ニコンD850 AF-Sニッコール24〜70ミリf2.8 30分の1秒 絞りF5.6 ISO400
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