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梅雨の夜空を淡い光がはかなげに舞い、幻想的な光景が広がる―。群馬県渋川市赤城町宮田地区で、ホタルの出現がピークを迎えている。ゲンジボタルとヘイケボタルが見られるといい、生息地の保護に努める「宮田ほたるの里を守る会」では、今年に入って計約三百匹を観測した。
小川の上を力強い光跡を描いて飛ぶゲンジボタルに対し、ヘイケボタルはチカチカと弱く明滅する。この「源平合戦」は六月いっぱいで終わるが、ヘイケボタルは七月まで見ることができる。
守る会の星野信好さん(七二)は「新型コロナウイルスの影響で、ホタル祭りも児童たちの自然教室もなくなった」とさびしそう。それでも「(訪れる人に)ほっとできる空間を提供したい。見学の際は『三密』を避け、騒がずに見守ってほしい」と話していた。
(写真と文・隈崎稔樹)
紙面より一部抜粋(2021年6月30日発行 東京新聞夕刊)
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