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ネジバナで一休みする日本最小トンボ=愛媛県西条市で
愛媛県西条市の大明神池に隣接する湿地で6月23日朝、ラン科のネジバナで一休みする日本最小のハッチョウトンボ。淡い紅色の花に止まる赤い姿に魅了される。赤い腹を上にあげた姿が愛らしい。時々飛び上がってもすぐに近くの草の先に降りる。フワフワ飛ぶ姿は、まるで「赤い妖精」のようだ。地元の庄内ハッチョウトンボ保存会の保護活動の成果で、数多く生息する。心癒される光景に胸が高鳴った。
ハッチョウトンボの体長は約2センチ。1円玉とほぼ同じ大きさだ。日本で一番小さなトンボで、世界的にも最小という。雄は赤く、雌は茶と黒の縞模様。5月中旬から9月中旬に出現して、ピークは6月中旬という。国内の分布は局地的で、見る機会は少ない。湿地などの限定的な環境に生息するため、その減少とともに数も減少している。
2021ハッチョウトンボ国勢調査のホームページによると、生息地は愛媛県西条市、徳島県牟岐町と海陽町、愛知県豊田市、滋賀県竜王町などと局地的だ。その中で西条市の生息数は約800匹弱で一番多い。愛媛県は絶滅危惧種に指定し、特定希少野生動植物として採集を禁止する。
日本では約200種のトンボが記録される。一番大きなトンボはオニヤンマ(11センチ)で、最小はハッチョウトンボ。オニヤンマとは何度も出会ったが、ハッチョウトンボは「幻のトンボ」だった。今回、念願が叶い感動した。数日間観察したが、夜明けから8時ごろまでは、トンボは落ち着いていた。9時ごろになると、活発に動きだすので、観察と撮影は早朝にしたい。(堀内洋助)
【撮影データ】 ニコンD500 AF-Sニッコール80〜400ミリf4.5〜5.6G 500分の1秒 絞りF8 ISO400
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