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神々しい朝焼けに色づく棚田=愛媛県大洲市で
愛媛県大洲市蔵川の棚田で5月26日夜明け、壮観な朝焼けに出会った。日の出30分前、東の空がピンクに色づき始め、次第に、赤と赤紫、黄、橙などの色が空一面に広がった。実に神秘的な光景だ。眼下にある棚田の水鏡が、朝焼けの色を描いてくれた。規則正しい苗の列も印象的だ。隣にいた地元の写真愛好家は「今年一番の朝焼けだ!」と感激の声を上げた。予想もしない神々しい自然のドラマに心から魅了された。
空が見事に焼けた理由は二つ考えられた。一つは、前日午後、四国に黄砂が飛来する予報が出ていて、その粒子に光が反射したこと。さらに、梅雨空で、上空に水蒸気が多く漂っていたこと。この二つが大きな理由だろうか。日の出40分前、闇が白み始めたころ、空を映す濃紺の水鏡と淡いピンクの空のコントラストも良かった。丁度、露光時間が30秒で撮影していた時、車が運よく通過して、ライトの光跡が印象的な一枚に。
蔵川の棚田は標高200〜250メートル前後に位置し、規模は約5ヘクタール。田んぼの数は100枚ほど。切り開いた尾根の中央にある三嶋神社を取り囲むように棚田が広がる。水源は湧水。江戸時代に開発され、大洲藩の献上米に。近年、皇居で行われる新嘗祭の献穀田にも選ばれたことも。お米は「蔵川エコ米」の名でブランド化され、とてもおいしいと評判だ。
朝焼けを撮影中、「トキョキョカキョク」と鳴くホトトギスの声が山間に何度も響き渡った。明るくなると「ホーホケキョ」とウグイスの声も。至福の時間だった。(堀内洋助)
【撮影データ】ニコンD850 AF-Sニッコール24〜70ミリf2.8 15分の1秒 絞りF5.6 ISO400
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