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新幹線が行き交う交通の要衝「大宮」の地名は、氷川神社に由来する。武蔵国一宮でもある格式の高い神社で、かつての門前町の名残が、中山道の一部だった約2キロの参道に見られる。
「これだけ長く真っすぐな参道が残されているのは全国でも珍しいんです」と話すのは、権禰宜(ごんねぎ)の橋本真人さん。ただし、本殿に一番近い三ノ鳥居から楼門までの短い区間だけは緩やかな曲線を描く。これは「帰るとき神様に直接お尻を向けないため」。
初詣客数でも全国トップ10の常連だが、最近はパワースポットとしても人気を集める。本殿楼門内にある樹齢100年弱の5本のクスノキにじっと手を当て、祈る若い女性が増えている。橋本さんは「特にご神木という扱いはしていませんが『力がもらえる』と寄り掛かったり、抱きついたりする方もおられます」。広大な境内には、本殿の他に12社あり、縁結びの御利益もあるという。
今月10日には祭事に合わせて十日市(とおかまち)と呼ばれる市が立ち、境内や参道に縁起物や正月用品の出店が1300ほど並ぶ。節分まで、寒さとともに神社が最も忙しい時期が続く。
(前田朋子)
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