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JR成田駅から、昔ながらの懐かしい商店が軒を連ねる表参道を北へ5分ほど歩くと、年間1100万人が参詣に訪れる名刹(めいさつ)「成田山新勝寺」が見えてくる。
940(天慶3)年開山。京都の智積院を総本山とする真言宗智山派に属し、全国71カ所の別院、分院などを持つ成田山の本山だ。しかし江戸時代中期に照範上人が出現するまでは、田舎の小寺院だったという。復興の礎を築いた照範上人は「中興第一世」とあがめられる。
約22万平方メートルの境内には国の重要文化財が5棟ある。その一つ「額堂」は歌舞伎の七代目市川団十郎が寄進した絵馬堂という。団十郎家と成田山の関係は深く、成田で生まれた初代団十郎は子宝を願って成田山にお参りし、二代目団十郎を授かったといわれる。不動尊を舞台で演じて江戸の民衆に成田山の御利益を伝えたこともあり、屋号の「成田屋」も成田山に由来する。
羽田空港の再国際化で、成田空港の地位低下が懸念される中、新勝寺には観光資源としての期待が集まる。成田の魅力を発信する官民合同のPR集団「成田空援隊」の諸岡良和隊長(36)は「京都のように歴史のある雰囲気を観光客に楽しんでもらいたい」と語る。 (武田雄介)
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