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荒川と旧江戸川に挟まれた深い緑の森が、東京湾に突き出るように広がる。先月下旬には春を告げるツバメが飛来した。
東京ドーム17個分の広さがある23区最大級の公園は1989年にオープンした。都が埋め立てた土地が家族連れらの憩うウオーターフロントとして整備された。マグロが回遊する水族園、高さ117メートルの日本最大の観覧車で知られているが、カワウやカワセミ、カルガモ、春はシギの仲間も観察できる「野鳥の楽園」としての顔もある。
整備時、ハゼや水鳥が暮らす環境を守ろうと、埋め立て域を縮小し干潟を残した経緯がある。これまでに200種以上の野鳥が確認され、対岸の東なぎさには、世界に3000羽しか生息しないというクロツラヘラサギも立ち寄るまでになった。
「人の手で造り上げたせっかくの自然。将来も野鳥のすめる環境を残したい」。週末に野鳥解説をするNPO法人生態教育センターの大原庄史(まさし)さん(31)は話す。公園は2020年東京五輪のカヌー会場の予定地となり、影響が心配されている。自然は守れるのか。再びの正念場だ。 (奥野斐)
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