商品概要
春の訪れを告げる鳥ヒレンジャク=愛媛県松山市で
愛媛県松山市の民家の庭で2月中旬、木の実を食べるヒレンジャク。約10羽が一斉に飛来し、黒紫色に熟した楕円形の果実をパクリ。しばらく食べては飛び去り、再び飛来する行動を何度も繰り返した。木はネズミモチ。冬鳥だが、四国の平地では早春から桜が散るころまでの期間に見ることが多い。まるで春の訪れを告げるようで、心地よい光景だった。
この庭には数日間、ヒレンジャク約40羽とキレンジャク5羽が飛来し、クロガネモチの赤い実とネズミモチの黒い実を食べつくした。毎年、2月中旬に飛来。実が熟して、おいしくなる時期なのだろう。食べては近くのハゼノキの枯れ枝に止まり、鈴なりで休息した。春の青い空に浮かぶ姿が印象的だ。時々、昨夜の雨でできた水たまりで水を飲んだ。
ヒレンジャクは冬鳥として、市街地から山地の林に渡来するスズメ目レンジャク科。木の実が大好物。「チリチリ」、「ヒーヒー」と細い声で鳴くので見つけやすい。冠羽と黒い過眼線が目立つ、人気の鳥だ。尾の先端は赤い。但し、先端が黄色ならキレンジャク。漢字は、緋連雀と書く。全長は18センチ。
ネズミモチの実はかつて、薬用効果で知られ、胃や肝臓など五臓の滋養強壮用として煎じられた。今では人に摘み取られず、ヒレンジャクが捕食する。越冬中の貴重な栄養源になっているのだろう。来年も再会できることを期待したい。(堀内洋助)
【撮影データ】ニコンD500 AF-Sニッコール80〜400ミリf4.5〜5.6G 1000分の1秒 絞りF5.6 ISO400
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