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秘境感あふれる雪の坪尻駅 =徳島県三好市で
日本屈指の秘境駅として知られるJR土讃線坪尻駅(徳島県三好市)。四国の雪景色を求めて2月17日に訪れた。未明から雪が降り積もり、残念ながら朝の列車は吹雪で視界を遮られた。約4時間後、雪が止んで一面の銀世界に。12時30分、谷間の静かな駅に一両の普通列車が進入した。スイッチバック駅のため、進行方向と反対側の運転席に移る乗務員が雪のホームを歩いた。その点景と秘境感あふれる雪景色に胸が高鳴った。
坪尻駅は徳島県と香川県の県境の猪ノ鼻峠付近にあり、標高は272メートル。駅を俯瞰した写真が、2015年冬、JRの青春18きっぷのポスターに使用されて話題になった。「一生来なかったかもしれない場所にいま来ています」とのキャッチコピーが印象的。駅周辺には人家も、道路もない。ほとんどの利用客は秘境駅が目的の鉄道ファンと観光客。普通列車は1日上り4本、下り3本が発着するだけだ。
駅を見下ろす展望台が落(おち)集落の崖に設置されている。ポスターの写真もここから撮影された。雪の中、夜明けから午後まで約8時間も滞在した。その間に十数人が入れ替わり訪れた。約3割は鉄道ファンで、残りは写真愛好家と観光客だ。地元の人は「全国の秘境駅ランキングではベスト5に入る。カメラ雑誌の表紙にもなった」と自慢げに話した。
坪尻駅の待合室に駅ノートが置かれていた。「もう一度来てしまいました」、「次は彼女を連れて来ます」、「スイッチバックの秘境駅に感謝」など旅人の様々な思いが記入されていた。記念に駅スタンプを自分の手帳に押した。新緑と紅葉の季節にまた来たいと思った。(堀内洋助)
【撮影データ】ニコンD850 AF-Sニッコール80〜200f2.8 500分の1秒 F8 ISO400
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