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ツツジの枯れ枝に白い花のように咲く霧氷=高知県仁淀川町の中津明神山で
高知県仁淀川町の中津明神山頂で今月10日、華麗な霧氷を撮影した。気温は氷点下5度。ツツジの枯れ枝は、まるで一面に白い花が咲いたように見えた。初夏は赤紫色に彩られるという。自然が描く見事な造形に心癒された。強い北風で西日本最高峰石鎚山=写真中央奥=など四国山地もくっきりと見渡せる。一足早い冬の世界に胸が高鳴った。
霧氷は着氷現象の一種で、霧や雲が樹木に付着して発達する。白い結晶が風上側に伸びているのが印象的だ。中津明神山は単独峰のため、強い風に当たり、湿った空気の水分が凍り付くのだろう。俳句では「霧氷咲く」と詠まれる冬の季語だ。
一般的に呼ばれる中津明神山は高知県と愛媛県の県境に位置する山で、標高1541メートル。国土地理院の二万五千分の一地形図では、「明神山(中津山)」と表記される。その名は山麓にある中津の地名から、中津の神様(明神)の山というのが由来という。四国百名山の一つだ。
霧氷の眼下にある尾根沿いの道は近年、「天空の林道」と呼ばれ、SNSで知られるようになった。正式名称は「林道・上名野川線」。なだらかな稜線に笹原が広がる景観が美しい。山頂で出会った地元のカメラマンに「あなたの車(エクストレイル)は大きいので走らないほうがいいですね」と助言された。エクストレイルは未舗装林道も走れるオフロード車で大丈夫なのだが、心配になって中止にした。しばらくは林道を進めるのだが、一気に悪路になりUターンが難しくなるという。林道は工事が中止になり、約3キロ先で行き止まりだ。次回は、この道をトレッキングで楽しみたいと思った。(堀内洋助)
【撮影データ】ニコンD850 AF-Sニッコール24〜70ミリf2.8 60分の1秒 絞りF5.6 ISO400
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