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紅葉と雲海の空を渡るヒヨドリの群れ=愛媛県西条市の石鎚山で
愛媛県西条市の石鎚山で10月上旬、秋の渡りをするヒヨドリの群れに出会った。標高1700メートルほどの登山道で一休みしている時だった。眼下には紅葉と雲海が鮮やか。雲海の下は瀬戸内海と四国山地が広がる。その時、波状飛行する野鳥の群れが現れた。近くの紅葉した木に止まり、そして飛び立った。千載一遇のチャンスに、胸が高鳴った。
ヒヨドリは留鳥または漂鳥として市街地や農耕地などで暮らすスズメ目ヒヨドリ科。春と秋の渡りの時期は、大きな群れで日本列島を移動する。全国各地で見られる。秋に温暖な地域に向かうのは、餌も豊富で、越冬しやすいためだ。身近な鳥だが、群れ飛ぶ光景は壮観。「ピィーヨ、ヒィーヨ」などと鳴く。全長28センチ。
雲海の上を飛ぶ野鳥の光景は、写真に残したい一枚だった。雲海は秋に発生しやすく、放射冷却で冷え込んだ、雨上がりの風のない朝が特にいい。かつて、富士山や関東各地で撮影してきたが、野鳥との競演は難しかった。今回、四国で念願を果たせたことは幸運だった。
松山市内の農耕地に10月24日、冬鳥ジョウビタキを初認した。半年ぶりに見る雄の姿に心癒された。モズの高鳴きも秋の気配を深めてくれる。越冬で飛来したカモ類も数を増してきた。冬は木の葉が落ちて、見通しが良くなる。この冬はどんな野鳥のドラマに出会うか、楽しみだ。(堀内洋助)
【撮影データ】ニコンD850 AF-Sニッコール24〜70f2.8 4000分の1秒 絞りF5.6 ISO400
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