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南北約4キロの神奈川県葉山町の海岸線。緑が広がる中に、葉山御用邸が位置する。その先の「小磯の鼻」と呼ばれる海に突き出た小さな岬は、天皇、皇后両陛下が静養中に散策されることもある。
町の風土を語る時、御用邸の存在は欠かせない。1894(明治27)年に御用邸ができたころから、気候が温暖で自然豊かな葉山には、政治家や実業家、芸術家らが次々と別荘を建てた。「漁村が都会の風を受け、よその人やものを受け入れる気風が育まれた」と、「葉山郷土史研究会」の鈴木雅子副会長(72)は語る。人口約3万3000人の町は今も、移り住む人や個性的な店の開業が絶えない。
「日本ヨット発祥の地」としても知られ、ヨットやウインドサーフィンなどのマリンスポーツも盛んだ。海水浴客でにぎわう海岸を歩けば、砂浜と磯が交互に現れ、葉山の海の豊かさを実感できる。NPO法人「オーシャンファミリー海洋自然体験センター」は、一色と長者ケ崎・大浜の海岸を拠点に子どもたちが海に親しむのを後押しする。海野(うんの)義明代表(62)は「まずは海で遊ぶこと。それが深い学びにつながる」と話す。 (北爪三記)
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