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秋空の下、異彩を放つ高松琴平電気鉄道のレトロ電車=香川県まんのう町で
香川県まんのう町の土器川橋梁で20日、ラストランする高松琴平電気鉄道(通称「ことでん」)の大正から昭和初期に製造されたレトロ電車。この秋に2両が車両の老朽化で引退となり、4両運転は今回で見納めになった。最後の雄姿を撮影しようと大勢の鉄道ファンが沿線に集った。幸いにも、彼方に、富士山のように優美な讃岐富士を望むことができた。
引退したのは20形23号と5000形500号。23号は1925年(大正14年)に製造され、95年間も現役。営業運転できる電車としては国内で最も古かった。外観は白と赤のツートンカラー=写真の先頭車両=。500号は1928年(昭和3年)製=写真の右端4両目=。この2両は経済産業省により近代化産業遺産に認定され、人気を集めた。
この日、土器川橋梁には約200人を超える鉄道ファンが集った。河川敷に駐車した車のナンバーは品川、横浜、名古屋、岐阜、京都、釧路など全国区。久しぶりに鉄道ファンのカメラの放列に加わり、レトロ電車を待った。かつて学生のころ、全国の蒸気機関車(SL)の撮影に明け暮れた。授業をさぼり、鉄道写真に没頭した懐かしい青春時代を思い出した。レトロ電車が来るまでの約4時間は心地いい時間だった。
残り2両の引退は来年(2021年)のゴールデンウィークに決まった。1926年(大正15年)に製造された1000形120号と3000形300号だ。ともに、ことでん開業時から運行される。23号の引退を受け、この2両が営業運転できる国内最古の電車に。特別運転される日に、再びカメラを向けたいと思う。
【撮影データ】ニコンD850 AF-Sニッコール24〜70ミリf2.8 2500分の1 絞りF5.6 ISO400
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