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東京のシンボル、東京タワーは昨年12月で開業から60年を迎えた。昭和と平成でそれぞれ30年ずつを過ごし、人々の記憶に刻まれてきた。
2002年から大展望台(現メインデッキ)で音楽イベントなどを開催してきた写真家・プロデューサーの水野雄介さん(57)は、関係者しか見ることができない東京タワーの姿をカメラに収め続け、17年に写真集「TOKYO TOWER JUNCTION」を出版した。「これだけ愛されている建造物はない。鉄塔という無機物なのに、人と人をつなぐ有機的なぬくもりがある」と話す。
今、周囲は高層ビルが立ち並び、333メートルの高さが以前ほど注目されることはない。「先がとがっていることが人々の琴線に触れるのでは、と近頃は思うんですよね」と管理運営会社の前田伸(しん)社長(56)。遠くに見える富士山と併せ見ると、柱状のビルに囲まれたタワーの「かたち」は、ひときわ存在感を放つ。「100年を超え、都市や国を超える価値を持つような存在に」。前田さんが先を見据えた。 (山田祐一郎)
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