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夕映えの瀬戸内海と棚田=愛媛県伊予市で
梅雨入りした四国に晴れ間が広がった2日、本谷の棚田(愛媛県伊予市双海町)を訪れた。傾斜地に曲線を描いて段々に連なる水田。眼下に夕日が沈む瀬戸内海が広がる。光の道が黄金から赤に移ろっていく。田を代掻きする農家の人は一幅の絵画のよう。鮮やかな夕映えに染まる空と海、棚田の絶景に魅了された。
この棚田は探鳥にも最適だった。「ホーホケキョ」とウグイスの歌声が谷間に響き渡った。時々「トッキョキョカキョク」とホトトギスの哀愁を帯びた声も聞こえる。ツバメのシルエットが光り輝く瀬戸内に浮かび上がった。野鳥と向き合う時間が心地いい。日が沈むと鳥の声は消えて、カエルの大合唱が始まった。
米紙ニューヨーク・タイムズが昨年、「2019年に行くべき52カ所の旅行先」として、「瀬戸内の島々」を日本で唯一選定した。記事で、しまなみ海道のサイクリングや広島平和記念資料館、香川県の島々で開幕する芸術祭なども紹介。瀬戸内が世界的に認められて感動した。残念ながら、今年は新型コロナ感染拡大の影響で外国人は少ない。
マイフィールドは四国に移ったが、自然の息吹は全国どこでも変わらない。光と色が織りなす一瞬のドラマを見つめて、遍路という環境の中で写真を精進したいと思う。(堀内洋助)
【撮影データ】 ニコンD850 AF-Sニッコール24〜70ミリf2.8 250分の1秒 絞りF8 ISO400
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