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四国カルストの稜線を流れ落ちる神秘的な滝雲=高知・愛媛県境で
高知県梼原(ゆすはら)町と愛媛県久万高原町の県境に広がる四国カルストである年の夏、押し寄せた雲海が稜線を滝のように流れ落ちる光景に出会った。この雲は「滝雲」と呼ばれるらしい。神秘的な光景に息を呑んだ。朝の光を浴びて、緑の牧草地と点在する白い石灰岩も印象的。近くの姫鶴(めづる)牧場(右下)には牛が放牧され、遠方には梼原町風力発電所(左奥)の風車が回る。雲と風などが演出する自然のドラマに魅了された。
まるで滝のように流れ込む滝雲は予期せぬドラマだった。夜明け前、現地に到着すると、深い霧に包まれていた。視界は5メートルほど。途方に暮れて、車の中で待機した。約1時間後、朝の光が差し込み始めると、次第に霧が晴れて、視界が広がり、滝雲に遭遇することができた。牧場と風車も霧の中から現れた。千載一遇の瞬間だった。
四国カルストは、石灰岩の大地が長い年月を経て、雨水などで浸食されてできた美しい地形だ。規模は東西約25キロ、幅約3キロ。カルスト高原には石灰岩が点在し、牛が放牧される。姫鶴牧場では春から秋、県内の畜産農家から肉牛を預かり、放牧して元気に育てる預託管理を行う。数は例年120頭ほどという。牧草を食べ歩き回るので、「天空の道」と呼ばれる県道で待っていると目の前に現れることも。この写真も県道から撮影した。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が全国に出されている。外出や移動の自粛が呼び掛けられる。そのため、3年前の夏に撮影した思い出の一枚を選んだ。四国カルストは大好きな撮影地で、何度も訪れている。いつも壮大な自然が織りなす美しい景色に感動させられる。(堀内洋助)
【写真データ】 ニコンD800 AF-Sニッコール70〜200ミリf2.8 250分の1秒
絞りF11 ISO400
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