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海上絵漂い、空中に船浮かぶ
高知県大月町の大堂(おおどう)山展望台から先月21日、風光明媚な柏島の夕景を撮影した。日没後、黒潮と豊後水道の流れが交わる海の上空に、夕焼けの色が鮮やかに広がった。手前の波静かな湾にはタイとハマチ(左側の四角)、クロマグロ(右側の大きな丸い網)の養殖用いけすが幾何学模様を描く。島の街灯りが海面を照らす光景も印象的だ。初冬の空と海が魅せる絶景に胸が高鳴った。
柏島は四国の西南端に位置する。周囲約4キロで、住民は400人ほど。2003年公開の映画「釣りバカ日誌14」のロケ地で有名になった。透明度の高い海にはたくさんの生き物が生息し、日本有数のダイビングスポットとしても知られる。日本に生息する魚約3500種のうち、約1000種が確認される。
近年は、船が空中に浮かんでいるように見える不思議な写真がSNSで広まり、多くの観光客が集う。その写真が撮れる大月半島と柏島を結ぶ橋の上は人気スポットになった。
大月町役場まちづくり推進課によると「波がなく、風が弱い晴れ間に現れやすい。5、6月の日差しが強い日がおすすめ」という。今回は残念ながら日差しが弱く、波があって見られなかったが、コバルトブルーの澄んだ海に美しい熱帯魚が泳ぐ光景に魅せられた。
夜は宿毛市の秋沢ホテルに泊まった。かつて、プロ野球近鉄バファローズが1976年から7年間、宿毛市野球場で春季キャンプを行ったときの宿舎に使われたという。昭和の風情が残るホテルは古びていたが、心地良かった。他球団だが、プロ野球キャンプを取材していたころを懐かしく思い出した。(堀内洋助)
紙面より一部抜粋(2019年12月12日発行 東京中日スポーツ)
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