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手を振るあなた、すぐそこに
香川県綾川町の高山航空公園で19日、高松空港(高松市)に離発着する飛行機を撮影した。同公園の展望台は滑走路が正面眼下に見える絶景スポット。2500メートル滑走路の手前までの距離は約3・5キロ。航空ファンには、空港へ降りる飛行機がアイレベルで見られる場所として知られる。このアングルは国内では珍しいという。同公園の標高は274メートルで空港は185メートル。約90メートルの高さからの眺望だ。
この日、午前中から全ての飛行機は奧の東側から着陸した。手前側から着陸しないと写真にならない。途方に暮れていた16時半ごろ、沖縄からのANA1622便が旋回しながら真上を通過した。やっと念願の一瞬が訪れた。距離が近いので、すごい迫力。機種はボーイング767-300。超望遠レンズでのぞくと滑走路と飛行機が重なり合った。後方の讃岐地方の山々の形もいい。印象的な光景に、胸の鼓動が高鳴った。
現在の高松空港は1989(平成元)年12月16日に開港し、まもなく30周年を迎える。旧空港は滑走路が短かく、高松市中心部から南へ約15キロの丘陵地に移転した。香川県のサイトによると、昨年度の同空港の国内・国際線定期路線の利用者数は過去最高の約206万人に達した。5年連続して利用者数は増加という。
日没になり、空港に明かりが灯った。赤やオレンジ、青、緑など鮮やかな色が滑走路を包み込んだ。その光景を見たとき、歌手テレサ・テンの名曲「空港」が思い浮かんだ。雨は降っていなかったが、郷愁を感じる情景に心を打たれた。 (堀内洋助)
紙面より一部抜粋(2019年9月26日発行 東京中日スポーツ)
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