商品概要
捕った!その瞬間に雪が舞う
「伊予の小京都」と称される愛媛県大洲市の肱川(ひじかわ)で1日夜、夏の風物詩である鵜飼いを体験した。夕方、屋形船に乗り、川下りを楽しみながら船内で川魚などの料理を味わった。午後8時ごろ、かがり火をたいた鵜船が現れ、鵜匠が巧みな手綱さばきで、5羽の鵜を操り、アユを捕らえた。灯りに集まるかげろうなどの昆虫が、ストロボの光で一瞬、まるで小雪が舞うように見えた。水面に映る灯りの彩りも印象的。鵜飼いの情景に心から魅了された。
鵜飼いとは、鵜を使ってアユなどの魚を捕る昔ながらの漁法だ。魚には傷が付かず、鮮度が良いという。しかし効率が良い漁法ではないため、明治時代以降衰退し、現在は観光業として行われている。鵜はカワウではなくウミウが使われる。
大洲の鵜飼いは、岐阜市の長良川と大分県日田市の三隈川とともに日本三大鵜飼いの一つ。大洲はかがり火をたいた鵜船と二艇の屋形船が併走しながら川を下る「合わせ鵜飼い」という手法で行われるため、鵜との距離が近く、迫力がある。
鵜飼いの乗船時間は18時30分から約2時間。料金は大人6000円〜8500円、子ども4500円(乗船料と船上食などセット料金)。宿泊セットは大人1万3000円。9月20日まで。予約と申し込みは希望日の前日17時で締め切り。当日の予約と乗船はできない。
同市観光協会によると、西日本豪雨災害の影響で昨年の観覧客は1957(昭和32)年の開始以来、最低の2069人。今年は被災前の約6千人が目標という。多くの人に、復興へのかがり火を見てもらいたいと思う。(堀内洋助)
紙面より一部抜粋(2019年6月13日発行 東京中日スポーツ)
注意事項