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水鏡に映る 越冬マガン
群馬県館林市東部の田園地帯で16日、一斉に飛び立つ冬の渡り鳥マガンの群れ。池の水鏡に映る光景が印象的だ。7羽が見られた。刈り田で落ち穂などを採食しながら移動していた。関東地方では見る機会が少ない。冬枯れの静寂と野鳥の躍動のコントラストに魅了された。マガンは冬鳥として、湖沼や農耕地などに局地的に渡来するカモ科マガン属。家族群でいつも行動し、生涯つがい関係を維持するという。この7羽も絶えず寄り添って行動していた。1971年に国の天然記念物に指定。「カハハン、クァハハン」と甲高い声で飛翔中によく鳴く。翼を広げると約140センチにも。全長は72センチ。今年1月に実施された環境省の全国ガンカモ一斉調査によると、国内の越冬数約22万4000羽のうち96%が宮城県で、関東は埼玉県の1羽だけだった。16日は多々良沼にも2羽が見られた。12月は群馬県に9羽がいたことになる。白鳥の群れとともに南下したのだろう。多々良沼に隣接するガバ沼は白鳥の越冬地として知られる。この日はオオハクチョウとコハクチョウが約50羽、珍しいアメリカコハクチョウが2羽見られた。くちばしは黄色い部分がなくて黒い。人気を集めていた。厳しい寒さを迎える1月はガバ沼に飛来する白鳥の数も増加する。地元の野鳥観察者によると、昨冬の2月は白鳥約170羽とマガン約70羽が確認されたという。冬は空気が澄んで見通しがよく、バードウオッチングには最適な季節だ。今冬もマガンの群れに期待したい。
紙面より一部抜粋(2018年12月27日発行 東京中日スポーツ)
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