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逆さ筑波にカワウの編隊
茨城県筑西市の母子島(はこじま)遊水地で10月28日朝、秀麗な筑波山とその上空を飛ぶカワウの群れに出会った。水面に映る「逆さ筑波」の幻想的な光景。雲間に朝焼けが広がり、水鏡も色を染めた。富士のような優美な稜線。秋の朝のひとときの絶景に心打たれた。この一枚を撮影した約10分後には、山頂から太陽が出る「ダイヤモンド筑波」を撮る予定だった。大勢の写真愛好家や見物客とともにその時を待った。太陽は予定より10数分遅れて山頂上空の雲間から出た。水面にも光り輝いたが、太陽が山頂に重ならないためにダイヤモンド筑波とはならなかった。筑波山は標高877メートル。最も標高が低い日本百名山で知られる。筑波山神社の境内地で関東では「西に富士、東に筑波」と並び称されるほど美しい山だ。ダイヤモンド筑波を撮影する機会は、毎年10月28日前後と2月14日前後の2回ある。市観光振興課によると、今秋は10月25日からの1週間で、約2千人の写真愛好家と見物客が訪れたという。一番の見ごろの28日は約1200人が集った。午前2時ごろには三脚を立てる場所が満杯になるほど。昨年秋は150人、三年前は20人しかいなかったが、この数年で人気が急上昇した。今回は4日間も通ったが、残念ながらダイヤモンド筑波は見られなかった。秋は雲が発生しやすいためだが、逆にその雲が描く風景に感動させられた。来年も訪れたいと思った。
紙面より一部抜粋(2018年11月22日発行 東京中日スポーツ)
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