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霧から飛び立つ夢色バルーン
栃木県栃木市の渡良瀬遊水地で4日朝、川霧の中に色とりどりの熱気球が浮かんだ。霧の下はヨシ原の湿地帯。朝の光を浴びた熱気球は一段と色鮮やかに見える。川霧と熱気球が描く幻想的な春の情景に魅了された。春の渡良瀬は川霧が発生する日が多い。晴れて冷え込んだ朝、風がない場合に見られる。この日は夜明け前からいい川霧が漂った。川岸から定置網と小舟を入れて、川霧と日の出を撮影。その後、新赤麻橋に移動した時、「この一枚」に出会った。鼓動の高鳴りを感じた。渡良瀬は日本有数の熱気球フライトエリアとしても有名だ。東京の都心から電車で約1時間の距離と広大なヨシ原が魅力なのだろう。週末になると、早朝から熱気球の愛好家が集う。熱気球の飛行技術を競う「渡良瀬バルーンレース2018」が4月6日から3日間、藤岡渡良瀬運動公園で開催される。今年で19回目。本レースが熱気球グランプリ(全5戦)の第1戦となる。6日午前6時10分を皮切りに、早朝と夕方に約30機が競技する。このようにスカイスポーツが盛んな渡良瀬。早朝は熱気球、昼間はスカイダイビングやウルトラライトプレーンなどが行われる。2年前、簡易構造の飛行機が競う第10回マイクロライト日本選手権も実施された。明治時代、足尾銅山から流れ出る鉱毒を沈殿させるために造られた渡良瀬遊水地。2012年、国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約に登録された。ここは自然と人間の営みの辛酸な歴史を伝える場所だ。今はスカイスポーツも盛んで、遊水地の多様性に魅了される。
紙面より一部抜粋(2018年3月22日発行 東京中日スポーツ)
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