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越冬千羽のマスゲーム
二十四節気の一つ「大寒」の20日、千葉県船橋市のふなばし三番瀬海浜公園前にある三番瀬の干潟で、越冬する水鳥を訪ねた。満潮時刻の約1時間30分後に干潟が現れると、ハマシギの群れが三々五々飛来した。その数は約1000羽にも。突然、何かに驚いて一斉に飛び立ち、密集して急旋回を繰り返した。群れが描く壮観な光景だ。動きが見事に同調した野鳥の「マスゲーム」に魅了された。ハマシギは旅鳥、または冬鳥として干潟や水田などに渡来するシギの仲間だ。くちばしは長めで下にやや曲がる。ゴカイや甲殻類などを採餌。全長は21センチだが、翼を広げると37センチほどになる。翼が長く見えるため、飛翔(ひしょう)する姿は美しい。三番瀬では群れで飛翔する光景が冬の風物詩として人気を集めている。ハマシギと並ぶ三番瀬の目玉はミヤコドリ。チドリ目ミヤコドリ科に属する。雅称「都鳥(みやこどり)」として親しまれるユリカモメ(カモメ科)と名前を間違われる鳥だ。この日は約300羽を越えていた。日本に渡来する大部分が三番瀬に集う。本物のミヤコドリは黒と赤、白の姿が鮮やか。ハマシギとミヤコドリの群れが干潟で競演する光景は素晴らしい。沖合にはスズガモ数万羽が黒い帯のように浮かんでいた。渡り鳥のハマシギとミヤコドリ、スズガモが大群で越冬する三番瀬は水鳥の貴重なオアシスだ。太陽が山頂に沈むダイヤモンド富士が三番瀬の海岸から2月14日と15日の17時すぎに観察できるという。毎年、多くの観察者が訪れる。今から、晴れることを期待したい。
紙面より一部抜粋(2018年1月25日発行 東京中日スポーツ)
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