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夕焼け干潟に天空の水鏡
瀬戸内の「天空の水鏡」として話題を集める香川県三豊市の父母ケ浜(ちちぶがはま)を12月上旬に訪れた。瀬戸内海に沈む夕日の情景も良かったが、その後、風が弱まり水面の波紋が消えた。夕焼け空が干潟の潮だまりに映り込み、幻想的な水鏡の絶景を見ることができた。水平線のオレンジの帯に、シルエットで浮かぶ観光客も印象的だった。父母ケ浜は長さ約1キロの砂浜。夏は海水浴客でにぎわう。美しい夕日で知られ、「日本の夕陽百選」の一つ。遠浅のため、干潮時には干潟が現れる。潮だまりが天空を映す水鏡になり、まるで南米ボリビアのウユニ塩湖のような幻想的な光景が見ることができる。今年4月、三豊市観光交流局が、SNS(会員制交流サイト)に、地元のカメラマン岩田隆さんが撮影した水鏡の一枚を投稿して、話題となった。8月にはNHKの全国ニュースでも放映。岩田さんは「一気に観光客が増えて驚いた。台湾や中国からも多い。撮る人も撮られる人も楽しんでいる」と話す。撮影者と同行し、モデルとして水鏡の干潟前でジャンプしたり、ポーズをとる人が多い。水鏡はほぼ毎日、潮が引くと現れる。しかし、人気を集めるのは干潮と日の入りが重なる時間帯だ。夕日が沈む前後30分ほどがフォトジェニックとなる。見ごろの日は三豊市観光交流局のホームページに掲載されている。12月は14日〜19日と30・31日。来年1月は1〜4日、14日〜19日、29日〜2月2日など。新月と満月の前後がシャッターチャンス。次回は満月が水鏡に映る光景を狙いたい。
紙面より一部抜粋(2017年12月14日発行 東京新聞)
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