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白鳥様のお通りよ!
愛鳥週間(10日〜16日)の中日に、千葉県我孫子市と柏市にまたがる手賀沼を探鳥した。小雨が降る中、手賀大橋の近くでひな6羽を連れたコブハクチョウ親子に出会った。草地で採食後、水辺に向かう時、よちよち歩きのひなが一列になり、懸命に母親の後を追う光景が印象的だった。真っ白な産毛の姿も愛らしい。かつて何度も取材した東京・大手町の内堀通りを渡り皇居に向かうカルガモ親子を思い出した。野鳥が魅せる一瞬の光景に感動する。
コブハクチョウはヨーロッパや中央アジアに分布するハクチョウの仲間。コハクチョウやオオハクチョウのように日本への渡りはしない。1952年に皇居のお濠にヨーロッパから移入された個体が増加し、外来種として各地に生息する。デンマークでは国鳥に指定されている。
今年1月、環境省の全国ガンカモ一斉調査では364羽が記録された。県別の1位は福島105羽で2位茨城88羽、3位千葉72羽。太平洋に隣接する、この3県に73%が分布する。
探鳥の途中に、我孫子市鳥の博物館に立ち寄った。山階鳥類研究所に隣接する日本で唯一の鳥類の博物館として知られる。充実した展示内容に感動した。特に企画展「鳥の子育て」(6月25日まで)ではジオラマや剥製でわかりやすく紹介。また、市内の森で子育て中のフクロウの巣箱内のライブ映像も見られた。6月6日前後に2羽が巣立つ予定という。
手賀沼に生息するコブハクチョウは50数羽。日本有数の繁殖地になり毎年5月、何組もの親子の姿が見られる。大空に舞うのは誕生から約60日後。真夏の空を飛ぶ白鳥を見てみたい。
紙面より一部抜粋(2017年5月25日発行 東京中日スポーツ)
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