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魚が来た!万羽のカモメ乱舞
冬から早春に多くのカモメの仲間が集う銚子漁港(千葉県銚子市)を2月下旬、訪れた。岸壁に停泊する漁船の周囲には数千、数万を超えるカモメ類が見られた。漁船が入港と出港、水揚げする時は一斉に群れて飛んだ。まるでヒチコック監督の映画「鳥」のワンシーンのよう。驚きと同時に、漁港と野鳥が織りなす光景に魅了された。
銚子漁港は6年連続で日本一の水揚げ量を誇る。2016年も約27万トンを超え、主要魚サバとマイワシが好調だ。マダイやカツオ、マグロ、サンマ、アジ、ヒラメなども多い。その理由は沖合に暖流「黒潮」と寒流「親潮」がぶつかり、魚の餌となるプランクトンが大量に発生するからという。利根川からも豊富な栄養が運ばれる。いい漁場が近くにあるのだ。
水揚げの時、こぼれた魚や海面に捨てられた魚を求めて、カモメ類が集まる。その数と種類は多く、水揚げ量日本一を誇る漁港ならではの光景だ。冬から早春はセグロカモメとオオセグロカモメ、ウミネコ、カモメ、ユリカモメなどが多い。
銚子漁港は今、日本有数のカモメ探鳥地に。平日に訪れたが、熱心な野鳥ファンに何人も出会った。「ワシカモメはどこですか」「あれはシロカモメ」「ミツユビカモメはかわいいね。感激」など。日本産で25種(アジサシ類除く)知られるカモメ類の識別は難しいが、バードウオッチングの時間は心地よかった。撮影を終えると帽子と望遠レンズに白いフンが付着。かすかに魚の匂いがした。
紙面より一部抜粋(2017年3月9日発行 東京中日スポーツ)
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