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恋愛のパワスポ
洞窟に差し込む朝の光が笹川の水面に反射し、神秘的なハートを描いた。光のカーテンに段々状の滝が見える。「もののけ姫が出てきそう。スタジオジブリの世界のよう」と話題を呼ぶ濃溝(のうみぞ)の滝(千葉県君津市)。9月上旬に撮影した。
日の出から約1時間半後の午前7時前、横向きのハートが出現。およそ30分観賞できた。洞窟の反対側の入り口は、ほぼ真東を向いている。太陽の角度と位置の関係から、ハートの光が差し込むのは3月と9月で、春分の日、秋分の日前後がベストという。この秋の思い出の1枚だ。
洞窟は約350年前の江戸時代、田に水を引くため、曲がった川の流れを変える「川廻(まわ)し」で掘られた。岩の段差が濃溝の滝に。滝の岩が亀に似ており、今は「亀岩(かめいわ)の洞窟」と呼ばれる。
11月上旬、晩秋の風景を求めて再び洞窟を訪れた。日の出ごろから、狭い川辺に100人ほどが集まった。まるで初日の出を拝む人並みのよう。この時季は差し込む光は見られないのだが、人気のすごさに驚いた。午前中は家族連れや、バスツアー客など人の列が絶えない。
ハート形の光が知られるようになったのは昨秋のこと。会員制交流サイト(SNS)のインスタグラムに投稿され、一気に情報が広がった。四季を通して自然の色に魅了される。新しい恋愛のパワースポットとして、来春には多くのカップルがやってくるだろう。
紙面より一部抜粋(2016/11/18発行 東京新聞、2016/12/09発行 東京中日スポーツ)
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