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紅葉にオシドリ
色づいた紅葉の下で、カラフルなオシドリが一列でひと休みしていた。自然が描き出す色彩のコントラストに、秋の深まりを感じる。DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)の庭園にある池で、12日に撮影した。首都圏はオシドリが飛来する季節を迎えている。
1990年にオープンした美術館は、DIC(旧社名・大日本インキ化学工業)が収集した作品を公開している。広大で緑豊かな庭園は、里山の地形を生かして造成。池は調整池の機能を持たせて、新しく造られた。
コブハクチョウ6羽と一緒に、この日確認できたオシドリは◆数羽。オレンジ、紫、黄、白など、雄の姿はあでやかだ。水辺の青い宝石と呼ばれるカワセミも数回現れ、彩りを添える。
撮影を終え、美術館を見学してみる。江戸時代の画家・尾形光琳(こうりん)が描いた「柳に水鳥図屏風(びょうぶ)」に、6羽のオシドリの姿があった。日本人に長く愛されてきた水鳥なのだとあらためて実感する。この作品の展示は27日まで。
オシドリは北海道や東北などで繁殖し、冬は関東や西日本で越冬するカモの仲間。全長は雄45センチ、雌41センチ。常に連れ立っている仲良し夫婦を「おしどり夫婦」と呼ぶが、実はオシドリは毎年つがい相手を変え、抱卵するのは雌だけという。
いつも寄り添うように泳ぐので、仲良く見えるのだろう。越冬地でつがいになり、春に繁殖地に旅立つ。美術館の池は毎年1月はカップルでにぎわい、100羽を超える。恋の季節に、また会いに来よう。
紙面より一部抜粋(2016/11/17発行 東京新聞、2016/11/25発行 東京中日スポーツ)
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