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昼間とは別の顔
川崎市の臨海部に広がる京浜工業地帯を今月初めに訪れた。同地は今、工場夜景の魅力で全国から注目を集める。人気スポットは浮島町と千鳥町、夜光、水江町、東扇島などに。製油所のプラントの複雑な配管と噴き出す水蒸気や炎が梅雨の夜空に輝いて印象的。運河の水面に映る光景も美しい。24時間稼働する非日常の風景「工場萌(も)え」の絶景に魅了された。
写真は浮島町の東燃ゼネラル石油の工場夜景。まるでSF映画のような幻想的な雰囲気に心癒やされた。機械の音が響くが人の気配はない。時々通る車のライトが色を染めた。駐車する車の屋根に映る照明も印象的。
川崎市観光協会によると7年前、川崎産業観光モニターの一環で工場夜景ツアーが実施された。多くの反響があり、2010年から屋形船クルーズとはとバスなどのツアーがスタート。現在、1カ月前には予約が埋まるほど大人気に。参加者の7割は女性。はとバス広報室によると、同社の150ツアーの中で人気ランキングは3位という。
反響を受けて11年2月、第1回全国工場夜景サミットが川崎市で開催された。工場夜景を観光資源として活用する北海道室蘭市、三重県四日市市、北九州市が参加。その後山口県周南市、兵庫県尼崎市が加わった。今年のサミットは静岡県富士市が参加して、7大工場夜景都市になる予定である。
紙面より一部抜粋(2015/07/10発行 東京中日スポーツ、2015/08/12発行 東京新聞)
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