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意気盛ん!SLもおか
シュシュポポ、シュシュポポ」と蒸気機関車(SL)のドラフト音が、梅雨空の森に響き渡った。真岡鐵道真岡線茂木〜天矢場駅間、小雨にぬれた25パーミルの急勾配を煙を上げてばく進する「SLもおか」。動輪付近から噴き出す蒸気も印象的。昭和の郷愁を感じさせる絶景である。
ここは人気のSL撮影地として知られる。モータースポーツで有名なツインリンクもてぎから西へ約5キロ。茂木駅から「道の駅もてぎ」沿いに線路が走り、天矢場駅100メートル手前まで約1・5キロの急勾配が続く。通過は14時30分前後。撮影ポイントは数多い。この写真は天矢場駅から約800メートル茂木寄り。「お立ち台」が造成され、500円の入場料が必要。
真岡鐵道は茨城県筑西市の下館駅と栃木県茂木町の茂木駅を結ぶ41・9キロ。1994(平成6)年3月から「C12形」でSL列車を運行する。1年を通じてほぼ毎週土、日曜、祝日に1往復。客車は50系3両。乗車にはSL整理券、大人500円(小人250円)が必要でJR東日本のみどりの窓口などで発売。
帰りに駅舎がSLの形をしたユニークな真岡駅の「SLキューロク館」を訪れた。入場無料。ここは「キューロク」の愛称で親しまれたSL「9600形」を動かせる状態で展示する。隣には北海道向けに製造の旧型客車スハフ44形も。座席に座ると、懐かしい匂いと空間に魅了された。
今年12月、北海道で国鉄最後のSL列車が消えて40年を迎える。当時、大学の鉄道研究会で「鉄ちゃん」として、約90日間も最後のSLを撮影した。スハフ44形の夜行列車に何度も乗った青春の日々が思い出された。
紙面より一部抜粋(2015年6月26日発行 東京中日スポーツ)
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