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JR横浜線、相模線、京王相模原線が乗り入れ慌ただしい橋本駅前(相模原市)に、ほっこりさせる空間がある。南口の神奈川県立相原(あいはら)高校。畜産科学科などがある専門高校で、牛十数頭、豚約30頭、ヤギ、ポニーなどを飼っている。子どもたちが見学に訪れ、学校産の牛乳や卵の直売会も週2回ある。
1922(大正11)年に開校、加山俊夫相模原市長も卒業生のこの学びやに転機が迫っている。2027年開業を目指すリニア中央新幹線の仮称・神奈川県駅が学校の場所に建設される計画があり、19年春、約2キロ南西の大学跡地に移転する。
「移転先に直売所も造られる。地域に根差した学校の方針は続けていきたい」と室井真理子副校長(56)。新駅の準備工事は5月に始まったが、「相原高校は地域の宝。移転させてまでリニアはいらない」と新駅に反対し続けている住民もいる。
90年の京王線開通で都心と直結され、発展した橋本駅周辺。リニアは再び街を一変させる可能性がある。かつて地域で盛んだった養蚕も学べる農蚕学校として開校した相原高の移転となれば、変化を色濃く示す出来事になる。 (井上靖史)
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