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めぐる三日月…工場の月
茨城県神栖市の鹿島臨海工業地帯に2日、工場夜景を訪ねた。鹿島港の南側に広がる石油化学コンビナートにある鹿島石油付近から西の空を望むと美しい三日月が見られた。日が沈み、工場の配管や煙突などにライトが灯った。イルミネーションのように薄暮の空に浮かぶ光景が印象的。車の屋根に夕暮れの工場と三日月が幻想的に映った。その時、トラックが通過して、オレンジの光跡を彩った。初秋の夕暮れに出会った非日常の世界に心から感動した。
昼間、鹿島港と鹿島臨海工業地帯を一望する港公園の展望台に登った。高さ52メートル。鹿島港を挟んで、右に石油コンビナート、左に鉄鋼コンビナート、左後方に飼料ターミナルの大パノラマが広がる。この鉄鋼コンビナートは日本製鉄鹿島製鉄所。旧住友金属で、Jリーグ鹿島アントラーズの母体となった会社だ。今、鹿嶋市は日本有数のサッカータウンになった。
鹿島工場夜景の人気スポットである砂山都市緑地も訪れた。石油化学コンビナートを一望できる高台にある。津波避難場所としてつくられた公園だ。高さ24メートル。工場から放たれた光や空になびく水蒸気はまるでSF映画のように幻想的。工場萌えを堪能できた。
鹿島港は今年、開港50周年を迎える。昭和30年代は一面の砂丘と松林の風景だった。50周年記念企画で、鹿島港工場夜景トワイライト遊覧ツアーが10月4日、初めて実施される。船から工場夜景を楽しむという。茨城県観光物産協会などが企画した。詳細は同サイトを参照。(堀内洋助)
紙面より一部抜粋(2019年9月12日発行 東京中日スポーツ)
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