フォトサービス　Z-073 2017年8月24日 忽那諸島(松山市の高縄山より)

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瀬戸は日暮れて…黄金の道

夏の夕、黄金に色づいた瀬戸内海で光の道に出会った。忽那(くつな)諸島の島々と行き交う船がシルエットで浮かんだ。神々しい一瞬だった。その後、光の道は白から朱色に。変幻する海の色に魅了された。松山市の高縄山(標高986メートル)に8月中旬、登った。山頂に建つ展望塔からは360度の眺望。北東は世界初の三連つり橋・来島海峡大橋としまなみ海道。北から西は瀬戸内海と島々。南西は松山の市街地と伊予灘に延びる海岸線。南東は西日本最高峰の石鎚山。さらに対岸の広島県と山口県まで見渡せた。「夏には珍しく視界が良い。四国一の絶景」と山頂で出会った地元の人は自慢した。かつて瀬戸内海を支配した村上水軍は山頂を見張りに使っていたという。山頂近くにある豪族・河野氏の居城(高縄城)跡を訪ねた。今は菩提(ぼだい)寺の高縄寺として多くの参拝者を集める。山門の入り口中央に鐘がつるされていた。通り道にある珍しい光景だ。たたくと、深い響きが山に広がった。瀬戸内海は島の多さで知られる。島々がつくる造形美は印象的だ。第六管区海上保安本部のホームページによると、島(外周100メートル以上)の数は727もある。1位は広島県142、2位は愛媛県133、3位は山口県127。4位香川県112。島の面積では1位淡路島(兵庫県)、2位小豆島(香川県)、3位屋代島(山口県)となる。翌日も山頂に登った。夜、今治市の海岸で、おんまく花火大会が実施された。東京の隅田川花火大会ほどの規模だ。約20キロ離れていたが、光の大輪は絶景だった。音は聞こえなかったが、フクロウの声が心地良かった。

紙面より一部抜粋(2017年8月24日発行 東京中日スポーツ)

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